「スマホで開くと重い気がする」——その感覚は正しいかもしれません。ユーザーは遅いサイトを、中身を見る前に閉じます。本記事ではCore Web Vitals(LCP・CLS・INP)の意味と、どこから直せばよいかを、制作会社の現場視点で解説します。
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「表示速度が大事」とは聞くものの、何が遅いのか、どこを直せばいいのかが分からないまま放置されているサイトは少なくありません。この記事は、専門用語に詳しくない方でも「自社サイトのどこに手を入れるべきか」が判断できるように、次の順で解説します。

▲ 「測る → 主因を特定 → 画像・コード・サーバーを直す」の順で進める
まずGoogleの公式な合格基準(Core Web Vitals)を押さえ、次に「なぜ遅いのか」の主因を切り分け、画像・コード・サーバーという3つの直しどころを順に見ていきます。最後に、速度がSEOと問い合わせ(CV)にどう繋がるのかを整理します。私たちが制作とSEOを一社で見ているのは、速度が「デザインの問題」でも「SEOの問題」でもなく、その両方をまたぐ設計の問題だからです。
図0:本記事の全体像(3ステップ)
表示速度の良し悪しを、GoogleはCore Web Vitals(コアウェブバイタル)という3つの指標で公式に定義しています。感覚の「速い・遅い」ではなく、この数字が合格ラインに入っているかで判断します。
| 指標 | 何を測るか | Google公式の目標値 |
|---|---|---|
| LCP | 主要なコンテンツが表示されるまでの速さ(読み込み) | 2.5秒以内 |
| CLS | 表示中のレイアウトのガタつき(視覚的な安定性) | 0.1以下 |
| INP | クリックやタップへの反応の速さ(操作への応答) | 200ミリ秒以内 |
LCPは「一番大きな画像や見出しが出るまでの時間」、CLSは「読もうとした瞬間に画像や広告が割り込んでガクッとずれる、あの不快感」、INPは「ボタンを押してから反応するまでのもたつき」だと考えると分かりやすいです。3つすべてが「良好」に入って初めて合格です。
図2-b:CLS(ガタつき)— 読もうとした瞬間に押し出される不快感
図1:Core Web Vitals 3指標の合格ライン(Google公式の目標値)
図2:LCP(読み込み)— 遅いサイトと合格ラインのイメージ
制作会社として数多くのサイトを見てきて、遅さの原因は決まったところに集中します。原因は1つでないことが多いので、影響の大きい順に挙げます。
図3:表示が遅くなる主因の優先度(上ほど影響が大きく直しやすい)
主因を特定したら、影響の大きい順に直します。私たちがサイトを預かったとき、実際に確認・実行する観点を3つの領域に分けて紹介します。
図4:改善手順のフロー(効果が大きく簡単なものから)
多くのサイトで、ページ容量の大半は画像です。ここを直すだけでLCPが大きく改善することが珍しくありません。具体的には、WebPなどの軽量フォーマットへの変換、表示サイズに合わせたリサイズ(4000pxの写真を800px幅で表示しない)、ファーストビュー外の画像の遅延読み込み(lazy loading)、そしてファーストビューの主役画像は逆に優先読み込み(fetchpriority)を指定する、といった調整です。
図5:画像最適化の考え方(リサイズ+WebP変換でファイルを軽くする)
使っていないJavaScript・CSSの削減、外部タグ(解析・広告・チャットなど)の見直し、表示をブロックするスクリプトの遅延(defer / async)が中心です。「便利だから」と入れたタグが積もって表示を止めているケースは多く、入れっぱなしのタグを棚卸しするだけで軽くなることがあります。
画像とコードを直しても遅い場合、サーバーの応答(最初の1バイトが返るまでの時間)がボトルネックです。過密な格安プランから余裕のあるプランへの見直し、キャッシュやCDNの活用が効きます。ここはサイトの「土台」なので、制作・運用とセットで判断すべき領域です。
図8:CDN/キャッシュで応答を短縮するイメージ
「速くすると順位は上がりますか?」とよく聞かれます。正直にお答えします。速度はGoogleのランキング要因の一つですが、速くしただけで順位が必ず上がるわけではありません。速度は、コンテンツの質や検索意図との一致という土台があって初めて効く要素です。
図6:速度は「土台」— コンテンツとUXの上で効く
図7:遅さがCV(問い合わせ)を削る流れ
ただし、もう一つの効果のほうが見落とされがちです。遅いサイトは、ユーザーが中身を読む前に離脱します。どれだけ良いサービスを載せ、広告で人を集めても、開くのに時間がかかれば問い合わせフォームにたどり着く前に閉じられてしまう。つまり速度改善は、SEO(検索からの流入)とCV(問い合わせ)の両方を支える土台への投資です。
図9:PageSpeed Insightsで3指標を確認するイメージ
サイトの表示速度は、「なんとなく重い」という感覚で放置するのではなく、Core Web Vitalsという数字で測り、画像 → コード → サーバーの順で直していくものです。そして速度は、SEOにも問い合わせにも効く土台でありながら、それ単体で結果を保証するものではありません。今日できる次の一歩は1つだけ。GoogleのPageSpeed InsightsにあなたのサイトのURLを入れて、モバイルの数値を見てみてください。そこに出た一番上の指摘が、あなたのサイトが最初に直すべき場所です。何から手を付けるべきか迷ったら、現状を一緒に見るところからご相談ください。