VONDS JOURNAL / 計測・分析・改善

WebマーケティングのKPI設定|指標・目標値・運用の決め方

事業の目標と、
見る数字をつなぐ。

目標から必要な指標へ整理する流れ

目標から必要な指標へ整理する流れ目的を確認:事業として必要な状態を決定。KGIを定義:達成の数え方と期間を決定。要因を考える:達成に必要な条件を仮説化。KPIを選ぶ:途中の状態を測る指標を選定01目的を確認事業として必要な状態を決定02KGIを定義達成の数え方と期間を決定03要因を考える達成に必要な条件を仮説化04KPIを選ぶ途中の状態を測る指標を選定
これは計画の組み立て方です。指標同士を線で結ぶだけで、因果関係が証明されるものではありません。

アクセス、広告のクリック、問い合わせ、受注。それぞれの数字が増えたとき、事業に何が起きたと判断できるでしょうか。この記事では、KGI・KPI・KSFの違い、集客から成果までの指標、目標の計算、計測と運用の手順を整理します。数字の定義と次に行う作業を揃えるためのガイドです。

各章の確認表で、自社の目的と指標の定義を照合してください。計算例は算式を確かめるための仮の数値です。

課題と手順を付箋で整理するホワイトボード
課題と手順を整理し、取り組む順序を決めます。(イメージ写真)写真:Paymo / Unsplash
この記事でわかること 全7テーマ
  1. 01何が変わったかを説明するために、指標を揃える
  2. 02KGI・KPI・KSFの役割を整理する
  3. 03集客・行動・成果の3段階で候補を比較する
  4. 04施策と計測をつなぐ5つの選定ステップ
  5. 05現状からの積み上げと目標からの逆算を併用する
  6. 06報告の数字から、次の改善へつなぐ
  7. 07まず目標と数え方を一緒に書き出す

01何が変わったかを説明するために、指標を揃える

KPI(重要業績評価指標)は、目標への進み具合を見るための指標です。広告や記事の本数だけでなく、何の状態を改善したいかを決め、その変化を測る数字を選びます。KPIを設定しただけで施策が成功するわけではありません。

アクセスの増加と事業の成果を分ける

「順調か」を判断する前の確認
確認項目考え方・実施すること
到達訪問や表示は、情報が届いた範囲を見る材料です。
行動相談、資料請求、購入など、目的につながる行動を別に確認します。
原因訪問が増えても問い合わせが少ない場合は、対象者、説明、導線、計測などを分けて調べます。

問い合わせがない理由を、集めた相手の間違いだけに限定しないようにします。フォームが動かない、連絡が計測されていない、検討に時間がかかる、といった可能性も実際の記録から確認してください。

関係者が同じ定義で数字を見る

社内・外注先と揃えること
確認項目考え方・実施すること
目標売上、商談、問い合わせなど、最終的に何を達成するかを共有します。
言葉「問い合わせ」に営業メールを含めるかなど、数え方を決めます。
担当数字を取得する人と、結果から施策を変える人を明確にします。

SBAは、対象市場、実行計画、予算を整理し、施策の結果を継続して測定する運用を説明しています。 出典:Manage your business - Small Business Administration

02KGI・KPI・KSFの役割を整理する

目標と指標を混同しないため、ここでは3つの言葉を次のように整理します。KSFは数値指標そのものではなく、達成に関係する要因の仮説です。

3つの言葉の役割
確認項目考え方・実施すること
KGI:重要目標達成指標最終的な目標の達成を測る数字です。事業上の目的に合わせて設定します。
KSF:重要成功要因目標の達成に関係すると考える要因です。実際に関係しているかを検証します。
KPI:重要業績評価指標目標へ進む過程の状態を確認する数字です。何の判断に使うかを決めます。
問い合わせを目標にする場合の整理例
確認項目考え方・実施すること
KGIの候補有効な問い合わせの件数。何を有効とするかも定めます。
KSFの候補必要な人への到達、サービス説明、相談のしやすさなどを仮説にします。
KPIの候補対象ページへの訪問、フォーム開始と完了などから必要な指標を選びます。

アクセス数を最終目標に置けるかは事業目的によります。問い合わせや受注が目的なのにアクセスだけで成功としない、という区別をしてください。目標から逆算すると同時に、実際に取得できるデータから計画を見直します。

03集客・行動・成果の3段階で候補を比較する

指標を選ぶ際は、情報が届いたか、ページで何をしたか、事業上の行動が起きたかを分けます。各段階を一律に1〜2個へ固定せず、判断に必要な範囲を選んでください。

数値を読み解く作業をイメージしたグラフの資料と電卓
集客・行動・成果を、異なる指標として確認します。(イメージ写真)写真:Cht Gsml / Unsplash

集客の指標

集客で確認する候補
確認項目考え方・実施すること
セッション数訪問の単位で数えます。人数やページ表示数とは区別します。
新規ユーザーツールが新規と識別した利用者です。実在する新規顧客の人数と同一視しません。
検索の表示・クリック・順位Search Console等で、語句・ページ・期間・地域・端末を揃えて確認します。
広告のCTRクリック数÷表示回数×100で算出します。高いCTRだけで受注が増えたとは判断しません。

閲覧と行動の指標

行動を解釈するときの注意
確認項目考え方・実施すること
直帰率GA4ではエンゲージメントのなかったセッションの割合です。1ページで離れた割合という旧来の説明と混同しません。
エンゲージメント時間アクティブに表示された時間等の記録です。長いほど理解や満足が深いとは断定しません。
閲覧ページ数・回遊必要な情報への移動を確認します。ページを多く見た理由が、情報を探しにくいことの場合もあります。

GoogleはGA4の直帰率を、エンゲージメントのなかったセッションの割合として説明しています。 出典:エンゲージメント率と直帰率|Google アナリティクス

成果に近い指標

成果の定義を分ける
確認項目考え方・実施すること
コンバージョン(CV)購入や問い合わせなど、設定した成果行動です。すべてが成約を意味するわけではありません。
CVR成果の割合です。セッション、ユーザー、広告の操作など、何を分母にするかを明記します。
問い合わせ・商談・受注それぞれの件数を分けて管理し、営業の記録と照合します。
CPA設定したコンバージョン1件当たりの費用です。問い合わせをCVにした場合、顧客獲得単価とは一致しません。

Google広告の平均コンバージョン単価は、費用をコンバージョン数で割って算出します。何をコンバージョンに設定したかの確認が必要です。 出典:平均コンバージョン単価|Google広告ヘルプ

計測の単位を揃える項目
確認項目考え方・実施すること
対象ページ、流入元、広告、デバイスなど、集計する範囲を揃えます。
期間同じ期間や比較可能な営業日を使い、季節や出稿条件の違いを記録します。
重複同じ人の複数問い合わせや、再読み込みによる重複をどう扱うかを決めます。

04施策と計測をつなぐ5つの選定ステップ

KPIを採用するまでの5段階

KPIを採用するまでの5段階目標を記す:目的と達成条件を具体化。要因を整理:関係する条件を仮説化。指標を選ぶ:状態を測る数字を候補化。施策と対応:改善時に行う作業を整理。計測を確認:実際の取得と定義を照合01目標を記す目的と達成条件を具体化02要因を整理関係する条件を仮説化03指標を選ぶ状態を測る数字を候補化04施策と対応改善時に行う作業を整理05計測を確認実際の取得と定義を照合
指標の数よりも、各指標で何を判断し、誰が対応するかを確認します。
指標の採用前に答える問い
確認項目考え方・実施すること
関連性この数字が動くと、目的に近づいたと言えるか。別の解釈はないか。
対応悪化したときに調べる資料と、選べる施策があるか。
計測ツールの画面と実際の動作で、必要なデータが取れているか。

直接変えられる作業と外部要因を分ける

管理指標と背景情報を分ける
確認項目考え方・実施すること
自社の作業取材、説明の修正、フォーム改善など、担当者が実施する作業を記録します。
結果の指標問い合わせやCTRは外部要因にも影響されます。自社が直接操作できる数字だけに限定しません。
背景情報競合や季節は操作できなくても、結果を解釈するために別欄で観測します。
GA4で成果を測る前の確認
確認項目考え方・実施すること
イベント必要な行動を取得するイベントが実際に発生しているかを確認します。
キーイベント事業上重要な行動をキーイベントとして設定します。指定だけで未取得の行動が自動計測されるわけではありません。
照合動作確認と記録を照合し、欠測や重複、計測対象外を把握します。

Googleは、事業に重要な行動を表すイベントを特定・作成し、キーイベントとしてマークする流れを示しています。 出典:[GA4] コンバージョン イベント - アナリティクス ヘルプ

05現状からの積み上げと目標からの逆算を併用する

目標値は、現状の数字に根拠のない改善率を足して決めるものではありません。過去の実績、施策の内容、使える予算や稼働、計測のばらつきを照合します。

過去実績を使う前に確認すること
確認項目考え方・実施すること
比較可能性期間、地域、流入元、営業日などの条件が近いかを見ます。
変更計測仕様やサイト、出稿条件が途中で変わっていないかを調べます。
変動少ない件数の増減や、一時的な特需を通常の状態と混同しないようにします。
現状からの積み上げ
確認項目考え方・実施すること
現在値集計条件を明記した現在値を出発点にします。
施策何を変えるか、どの数字への影響を想定するかを記します。
目標確定した予測ではなく、検証する目標と判定時期として設定します。

逆算は仮定を明示した試算として使う

計算方法を確認する例(実績ではありません)
確認項目考え方・実施すること
仮の現状2,000セッションのうち、問い合わせがあったセッションが20なら、セッションベースのCVRは1%です。
仮の目標同じCVRを仮定して、問い合わせのあるセッションを30へ増やすなら、30÷0.01=3,000セッションと試算できます。
前提流入を増やしてもCVRが同じとは限りません。この試算は必要流入や成果を保証するものではありません。
目標を決める際に合わせる条件
確認項目考え方・実施すること
対応能力問い合わせが増えた場合に、営業や制作で対応できるかを確認します。
費用追加施策の費用と期待する事業上の価値を比較します。
見直し達成・未達だけでなく、前提条件が変わった場合の見直し方を決めます。

分母が0の期間は率を算出できません。また、CVRの改善を語る際は、割合の増加とパーセントポイント差を区別します。自社の数字に置き換えるときも、算式と分母を残してください。

06報告の数字から、次の改善へつなぐ

運用で点検する3つの状態
確認項目考え方・実施すること
指標が多すぎる誰も判断に使っていない指標は、必要性や集計作業を見直します。
見るだけで終わる増減の理由を仮説に分け、次に調べる内容か変更する施策を決めます。
振り返りがない担当と確認時期を決め、変更履歴と結果を同じ資料へ残します。

確認から改善までの運用

確認から改善までの運用数字を確認:対象・期間・定義を確認。原因を調べる:計測・施策・背景を分ける。対応を決める:担当と変更範囲を決定。結果を記録:同じ定義で比較・再検討01数字を確認対象・期間・定義を確認02原因を調べる計測・施策・背景を分ける03対応を決める担当と変更範囲を決定04結果を記録同じ定義で比較・再検討
週次の速報や月次の振り返りは運用例です。件数や検討期間に合う確認間隔を決めてください。
共有シートに持たせる項目
確認項目考え方・実施すること
指標と定義何を、どの範囲・分母で数えるかを記します。
現在値・目標・期間目標の前提と、判定する時期を記します。
担当・施策・変更確認する人、実施した施策、変更日、残る疑問を記録します。
目標・指標を変更する際の確認
確認項目考え方・実施すること
理由計測の誤り、事業目的、資源、顧客条件の変化などを確認します。
履歴未達を隠すために過去の数字を置き換えず、変更前後の定義と理由を残します。
合意関係者で変更の影響を確認し、比較できる期間とできない期間を分けます。

市場が変わったときだけが見直しの機会ではありません。指標の定義が目的に合わない、計測できない、担当の稼働が変わったといった場合も、理由を記録して計画を修正します。

計画や条件を整理するために書面を確認する二人の手元
数字を見る担当と、次の作業を決める場をそろえます。(イメージ写真)写真:Olena Kholina / Unsplash

07まず目標と数え方を一緒に書き出す

最初に、事業として達成したい状態と、それをどう数えるかを書き出してください。そこから、必要な途中の行動、確認する指標、担当者を整理します。KPIは、数字を良く見せるためではなく、次に行う仕事を決めるために使います。

着手時に用意する資料
確認項目考え方・実施すること
現在の記録アクセス、広告、問い合わせ、商談の記録を、確認できる範囲で揃えます。
目標と体制達成したい状態、使える予算と時間、担当者を整理します。
不明な点計測できていない行動や、定義が揃わない数字を一覧にします。

現在の集計資料、事業上の目標、改善したいページや施策を整理しておくと、指標の選び方と計測の進め方を具体的に相談できます。

自社の状況を相談する
株式会社オフィスVONDS 代表取締役 小沢宗弘

AUTHOR & EDITOR

原著:小沢 宗弘

山梨県甲府市を拠点に、ホームページ制作・SEO支援・Web広告運用に取り組んでいます。

再編集:株式会社オフィスVONDS
原文の全20見出しの論点を引き継ぎました。未確認の普及率、固定指標数、成果の断定を除き、GA4とCPAの定義、計算と運用の条件を補足しています。

代表プロフィール・会社案内

参照した一次資料

実務の進め方はVONDS編集部の整理です。本文で参照した仕組み・手順は、次の公式資料で確認しています。

  1. Manage your business - Small Business Administration確認日:2026年9月7日
  2. [GA4] コンバージョン イベント - アナリティクス ヘルプ確認日:2026年9月7日
  3. エンゲージメント率と直帰率|Google アナリティクス確認日:2026年9月7日
  4. 平均コンバージョン単価|Google広告ヘルプ確認日:2026年9月7日

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