Webサイト、ネットショップ、社内の業務アプリ。作りたいものに合わせて、ノーコードツールを比較するためのガイドです。主要製品の用途、試用で確かめる条件、公開後の更新や移行までを整理します。必要な機能と担当者の操作を照合し、自社で運用できる候補を選びましょう。
各章は「概念説明→比較表→実行手順」の順に読み進める構成です。比較表は選定の判断軸、工程図は実際の作業手順としてそのまま使えます。料金や機能の詳細は変動するため、必ず各ツールの公式サイトで最新情報を確認してください。

この記事でわかること 全10テーマ
01ノーコードツールとは|プログラミング不要で何ができるのか
ノーコードは、コードを書く代わりに、画面の部品や設定を使ってサイトやアプリを構築する方法です。何を作れるかは製品によって異なり、追加の要件ではコードや外部連携が必要になる場合もあります。
ローコードは、視覚的な構築とコードによる拡張を組み合わせる方法です。呼び名だけで区切らず、自社で実現したい機能が、画面の設定だけで作れるかを確かめてください。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 画面での設定 | 必要な表示、データ、処理を、用意された機能で構築できるかを確かめます。 |
| コードでの拡張 | 追加実装が必要な範囲と、それを担当できる人を確認します。 |
| 共通の工程 | 目的、情報の構成、動作確認、運用の担当は、どちらでも決めます。 |
画面上で試作できる場合は、担当者が操作しながら要件を確かめられます。実装方法にかかわらず、必要な機能の設計と、公開前の確認は計画に含めてください。
ノーコードで作れるものの全体像
| 成果物 | ツール分野の例 |
|---|---|
| コーポレートサイト・ブランドサイト | Studio、Wix、Webflow |
| ECサイト・オンラインストア | Shopify、BASE、STORES |
| 業務アプリ・社内ツール | Bubble、kintone |
| 自動化フロー | Zapier |
| ランディングページ・予約の入口 | ページ作成と、必要な予約・フォーム機能の対応を個別に確認します。 |
従来開発との工程の違い
ノーコードでも、制作会社に依頼する方法と社内で作る方法があります。誰が作るかと、どの道具を使うかは別の判断です。制作範囲、操作する人、更新時の引き継ぎを合わせて考えましょう。
02AI・スマートフォン・試用環境を確かめる
ツールを比較する際は、AIの支援機能、スマートフォン表示、試用の条件を確認します。市場の予測だけで選ばず、現在使える機能が、自社の要件に合うかを試してください。
製品ごとに確認する3つの条件
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| AIの支援 | 利用できる機能、生成する範囲、人が修正する方法を確認します。 |
| スマートフォン | 実際の画面幅で、文字、画像、フォームの表示と操作を確認します。 |
| 試用 | 試せる期間、機能、公開の可否、終了後の扱いを確認します。 |
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 継続 | 製品の更新情報、サポート方針、契約条件を確認します。 |
| 変更 | 機能や料金の変更がある場合の通知方法を調べます。 |
| 移行 | 終了時に取り出せるデータと、他の環境へ移す手順を確認します。 |
導入判断までの確認フロー
03Webサイト構築系ツール|Studio・Wix・Webflow
サイトのデザインと更新を担当する人が、必要なページを試作して比較します。以下の3製品について、用途と、自社の要件に合うかを確認する観点を整理します。
StudioはWebサイトのデザインとCMSを視覚的に作成し公開するサービスです。 出典:Studio公式:Web制作プラットフォーム
WixはWebサイト作成と運営の機能を提供します。詳細な機能・費用は利用するプランで確認します。 出典:Wix公式:ホームページ作成
WebflowはビジュアルキャンバスでWebサイトを作成し、CMSでコンテンツを管理する機能を提供します。 出典:Webflow公式:プラットフォーム
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| Studio | サイトのデザインとCMSを視覚的に作成し、公開するサービスです。 |
| Wix | Webサイトの作成と運営に関する機能を提供します。 |
| Webflow | ビジュアルキャンバスでサイトを作成し、CMSで内容を管理します。 |
細かい見た目の調整、操作画面の言語、記事や実績の更新方法を試します。料金だけで比較せず、担当者が更新まで進められるかを確認してください。
| 判断軸 | 確認する内容 |
|---|---|
| デザインの自由度 | 細かい見た目の調整が必要か、テンプレートで十分か |
| 操作言語 | 日本語UIが必須か、英語UIでも対応できるか |
| 更新運用 | CMSでコンテンツを継続更新する計画があるか |
| 公開後の拡張 | 独自ドメインや追加機能の要件があるか |
04ECサイト構築系ツール|Shopify・BASE・STORES
商品登録、販売、注文後の処理までの流れを比べます。必要なサービスと契約プラン、手数料を確認し、自社の商品と販売方法で運用できるかを試してください。
Shopifyはオンラインストアを含む販売と注文・在庫管理の機能を提供します。 出典:Shopify公式:オンライン販売
BASEは商品登録・デザイン設定からネットショップを公開するサービスです。 出典:BASE公式:ネットショップ作成
STORESはネットショップ、予約、POSレジ、決済などのサービスを提供します。必要なサービスを選んで利用します。 出典:STORES公式:店舗運営サービス
| 比較軸 | 内容 |
|---|---|
| Shopify | オンラインストアの販売と注文・在庫管理の機能を持つ |
| BASE | 商品登録とデザイン設定からネットショップを公開できる |
| STORES | ネットショップに加え、予約・POSレジ・決済など必要なサービスを選んで利用できる |
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 固定費 | 利用プランと追加機能の継続費用を確認します。 |
| 販売時の費用 | 決済や販売に応じて生じる手数料を調べます。 |
| 運用 | 商品登録、配送、問い合わせ対応を担当する時間を見込みます。 |
| 運用形態 | 確認ポイント |
|---|---|
| ネットショップのみ | 商品登録数・デザイン設定・発送連携の可否 |
| 実店舗+EC | POSレジ連携・在庫の一元管理の可否 |
| 予約+物販 | 予約管理と決済を同一サービスで扱えるか |
| 海外販売の検討 | 対応する通貨・配送設定の範囲 |
05業務アプリ・自動化系ツール|Bubble・kintone・Zapier
アプリを構築したい場合と、既存サービスを連携させたい場合を分けて考えます。社内で使うのか、社外の利用者へ提供するのかも、必要な機能と権限を決める条件です。

Bubbleは視覚的な編集でWebアプリやモバイルアプリを構築するサービスです。 出典:Bubble公式:アプリ作成
kintoneは業務データを蓄積し、業務アプリを構築するノーコード・ローコードサービスです。 出典:kintone公式:業務アプリ
Zapierは外部サービスやデータを接続し、業務のワークフローを自動化する機能を提供します。 出典:Zapier公式:サービス連携
| 比較軸 | 内容 |
|---|---|
| Bubble | 視覚的な編集でWebアプリやモバイルアプリを構築する |
| kintone | 業務データを蓄積し、業務アプリを構築します。 |
| Zapier | 外部サービス同士を接続し、作業のワークフローを自動化する |
例えばフォームの受付情報を通知・記録する場合は、対象サービスの接続可否、権限、受け渡す項目を確認します。自動返信まで行うなら、宛先や重複送信の確認も設計に含めてください。
業務自動化フローの組み立て例
| 目的 | 検討する分野 |
|---|---|
| Webサイトを作りたい | StudioやWixなどのサイト構築系 |
| ECを始めたい | ShopifyやSTORESなどのEC構築系 |
| 業務を効率化したい | kintoneやZapierなどの業務アプリ・自動化系 |
06目的別|自社に合うツールの選び方とチェックリスト
ツール比較表を眺めるだけでは、自社に合うかどうかは判断しにくいものです。判断軸は「目的・予算・拡張性・人員スキル」の4つに整理すると迷いにくくなります。

選定の4ステップ
ツール選定の4ステップ
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| ページ・商品 | 件数が増えたときの上限、検索、更新の操作を確認します。 |
| 利用者 | アクセスや同時利用が増えた場合の条件を調べます。 |
| 費用 | 追加機能や従量料金を含め、想定する使い方で試算します。 |
業種別の組み合わせパターン(検討のたたき台)
以下は業種ごとの組み合わせの検討例です。業種だけで外注や特定ツールが必須になるわけではないため、自社の目的と運用体制に照らして調整してください。
| 業種 | 組み合わせの検討例 |
|---|---|
| 士業・コンサルティング | サイト構築系ツール+フォーム+自動化ツールで問い合わせ導線を作る |
| 飲食・美容・小売 | 予約・POS連携を持つサービスで実店舗とECを統合する案 |
| BtoB製造業 | サイトで集客し、業務アプリで案件管理を行う案 |
| クリエイター・教室 | 商品販売とイベント告知に必要な機能を組み合わせる案 |
選定時のチェックリスト
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 試用 | 利用できるデモや試用環境で、実際にページや処理を作ってみます。 |
| 独自ドメイン | 必要なドメインが使えるかと、管理・移管の条件を確認します。 |
| データと契約 | 利用権、管理権限、エクスポートできる範囲を確認します。 |
| 課金構造 | 月額に加え、決済手数料・追加機能の料金を試算する |
| サポート | 日本語サポート・コミュニティの有無 |
| 移行可能性 | 将来ツールから移行する場合の引き継ぎ方法 |
| SEO設定 | タイトル・メタディスクリプション等の設定自由度 |
07ノーコード導入で陥りやすい5つの注意点
導入前に、機能、移行、運用時間、情報の管理、検索や表示の設定を確認します。
| 注意点 | 対策の方向 |
|---|---|
| 機能の壁 | 想定範囲外の独自要件は実装できない場合がある。規模拡大後の移行も前提に設計する |
| ベンダーロックイン | 独自ドメインで運営し、コンテンツのオリジナルを別途バックアップする |
| 運用工数の過小評価 | 習得時間を見込み、動画教材・公式ヘルプの併用を前提に計画する |
| セキュリティ | データの保管場所や認証・アクセス制限の仕様を担当部門と確認する |
| SEO・速度の制約 | 表示速度や構造化データの設定範囲を公開前に検証する |
機能の壁
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 要件 | 権限制御、同期、データ処理など、必要な動作を具体化します。 |
| 実装 | 標準の設定で作れるか、追加実装や外部連携が必要かを試します。 |
| 判断 | 設定・保守・将来の変更を含めて、採用する方法を比較します。 |
ベンダーロックインのリスク
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 原本 | 文章、写真、図表などの元データを保管します。 |
| データ | 出力できる項目と形式を確認し、実際に取り出せるかを試します。 |
| 契約と設定 | ドメイン、アカウント、連携の管理者と引き継ぎ方法を確認します。 |
運用工数・セキュリティ・SEOの確認
| 領域 | 確認する相手と内容 |
|---|---|
| 運用工数 | 担当者の習得時間を計画に組み込み、教材や公式ヘルプの利用を前提にする |
| 個人情報の取扱い | データの保管場所や暗号化の扱いについて、自社の情報管理担当者に確認する |
| アクセス制御 | IP制限や権限設定の可否をツールの仕様で確認する |
| 表示速度 | 公開前にテスト環境で表示速度を計測する |
| SEO設定 | タイトル・説明文・構造化データの設定範囲を確認する |
個人情報の取り扱いや、商品・サービスを販売する際の表示などは、対象業務に合う要件を確認します。自社の法務・情報管理の担当者や、所管の公的な案内で確認してください。
試す範囲と、採用するかを判断する時期を決めておきます。使い始めてから見つかった制約も記録し、設定の修正や別の方法を検討する材料にしてください。
08導入の実践ステップと運用・効果測定
目的と対象を整理してから、試作、確認、公開、運用へ進めます。以下はサイト制作の工程例ですので、業務アプリの場合は画面や処理の設計に読み替えてください。
導入前から公開までのロードマップ
導入から公開・改善までの7工程
| 工程 | 用意するもの |
|---|---|
| 目的設定 | 誰に・何を・いつまでに、を書いた1枚のメモ |
| 比較試用 | 利用可能な試用環境で作ったページと、操作の記録 |
| 競合分析 | 参考サイトの構成要素リスト |
| 設計 | サイトマップとワイヤーフレーム |
| 試作 | 完成させた1ページとレビュー記録 |
| 公開設定 | 独自ドメイン・SSL・解析ツールの設定記録 |
| 改善 | アクセス解析の定期確認メモ |
担当者の育成とナレッジ蓄積
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 手順 | 文章、画像、商品などの更新手順を残します。 |
| 変更 | いつ、誰が、何を変えたかを記録します。 |
| 確認 | 別の担当者が手順を試し、分からない部分を補います。 |
費用・作業時間・成果を分けて測る
導入前の費用と作業時間を記録し、導入後も同じ条件で比較します。問い合わせや売上は他の施策の影響も受けますので、ツールだけの成果と決めつけず、期間と変更点を添えてください。
| 指標 | 記録する内容 |
|---|---|
| 費用 | 利用、設定、保守の費用と、同じ制作範囲での外注見積を比べます。 |
| 作業時間 | 構築、更新、確認、修正の時間を記録します。時間の金額換算は現金支出と分けます。 |
| 事業の指標 | 問い合わせや販売などの変化を、対象期間と他の施策の変更とともに確認します。 |
09AI連携とこれからのノーコード活用
AIによる下書き作成を使いたい場合は、採用候補のツールで利用できる範囲と条件を調べます。自社の素材から何を生成し、どこを人が確認するかを決めてから試してください。
AI連携機能を業務で使う際の確認手順
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 契約・プラン | AI機能が自社のプランで使えるかを公式情報で確認 |
| 入力情報の扱い | 入力した情報がどう保存・利用されるかを規約で確認 |
| 学習設定 | 入力データが学習に使われるか、設定で変更できるかを確認 |
| 出力の確認 | 生成された下書きを人が確認・修正する担当を決める |
無料版・有料版のどちらが安全とは一概に言えません。契約内容、入力する情報の性質、保存と学習の設定の3点を確認したうえで、業務に使ってよい範囲を社内で決める手順を取ってください。
今からできる準備
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 記録 | 作成した設定と、その目的を残します。 |
| 更新 | 製品の更新案内を誰が確認するかを決めます。 |
| 再確認 | 仕様が変わった際に、表示と処理を試す手順を用意します。 |
AI×ノーコードの実務サイクル
10まとめ|まず1ツールを試すことから始める
作りたいものと運用する担当を決め、候補のツールで具体的なページや処理を試します。機能、費用、更新、移行の条件を確認し、試した結果から継続して使うかを判断してください。
| 章 | 要点 |
|---|---|
| 基礎 | ノーコードはコードを書かずに部品を組み合わせて構築する手法 |
| 比較 | サイト・EC・業務アプリでツールの得意分野が異なる |
| 選定 | 目的・予算・拡張性・人員スキルの4軸で絞る |
| 注意点 | 機能の壁・ロックイン・運用工数などを事前確認する |
| 導入 | 7工程の計画例に沿って小さく始めて改善する |
参照した一次資料
実務の進め方はVONDS編集部の整理です。本文で参照した仕組み・手順は、次の公式資料で確認しています。
- What is Power Apps? - Power Apps | Microsoft Learn確認日:2026年9月7日
- Explore the Power Automate home page - Power Automate | Microsoft Learn確認日:2026年9月7日
- Studio公式:Web制作プラットフォーム確認日:2026年9月7日
- Wix公式:ホームページ作成確認日:2026年9月7日
- Webflow公式:プラットフォーム確認日:2026年9月7日
- Shopify公式:オンライン販売確認日:2026年9月7日
- BASE公式:ネットショップ作成確認日:2026年9月7日
- STORES公式:店舗運営サービス確認日:2026年9月7日
- Bubble公式:アプリ作成確認日:2026年9月7日
- kintone公式:業務アプリ確認日:2026年9月7日
- Zapier公式:サービス連携確認日:2026年9月7日

