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「DX人材が欲しい。でも採用しても来ない、来ても定着しない」。山梨をはじめ地方の中小企業から、こんな声を本当によく聞きます。求人を出しても応募ゼロ。やっと採れても大手に引き抜かれる。この繰り返しに疲れていませんか。

結論から言います。これからの中小企業の勝ち筋は「採用」ではなく「育成」。外から連れてくるのではなく、いまいる社員をデジタル人材に変える戦略です。なぜなら、IT人材は全国的に取り合いになっており、価格競争で中小企業が勝てる相手ではないから。

この記事では、デジタル人材の定義から、社内で育てる具体的な5ステップ、つまずきやすい落とし穴までを実務目線で解説します。読み終えたとき、明日から自社で何を始めればいいかが見えるはずです。

そもそもデジタル人材とは何か|誤解されがちな定義

「デジタル人材=プログラマー」という誤解が、育成を止めています。本当に必要なのは、もっと幅広い人材像です。

デジタル人材は「3つの層」に分かれる

デジタル人材とは、ITやデータを使って業務や事業を変えられる人の総称。経済産業省の整理を平たく言うと、次の3層に分かれます。

中小企業がまず増やすべきは、実は3つ目の業務活用層。全員がエンジニアになる必要はありません。

「専門スキル」より「変える意欲」が先

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査では、DXを推進する人材として最も不足しているのは、技術者ではなく「ビジネス側で変革をリードできる人材」とされています。コードが書けることより、課題を見つけ「これ、デジタルで楽にできない?」と動ける人。ここが出発点です。

デジタル人材=プログラマーではない。中小企業がまず増やすべきは、日々の業務でデジタルを使いこなす「業務活用層」。必要なのは専門スキルより「変えたい」という意欲です。

なぜ今、育成なのか|採用では勝てない3つの理由

「採った方が早いのでは?」という問いに、数字で答えます。

2030年、IT人材は最大79万人不足する

経済産業省の試算によると、国内のIT人材は2030年に最大で約79万人不足する見込みです。これは需要に対する供給の絶対的な不足。つまり、お金を積んでも採れない時代が近づいています。

約79万人 2030年に不足すると試算されるIT人材(経済産業省)

中小企業は採用競争で構造的に不利

給与・知名度・キャリアパス。この3つで大手と正面から戦えば、中小企業は不利です。採用に投じた費用が、定着せず消える。この構造を、採用だけで覆すのは困難。

育成は「定着」と「自社最適」を同時に得る

自社で育てた人材は、自社の業務を知り尽くしています。外部人材が業務理解に数か月かかる一方、既存社員はゼロから業務を覚える必要がない。さらに、育成された社員は会社への帰属意識も高まりやすい。

採用は「不足する市場で、不利な条件で奪い合う」戦い。育成は「いる人材を自社最適に変える」投資。中小企業の現実解は、後者を主軸に据えることです。

社内育成を成功させる5ステップ

精神論では人は育ちません。再現できる手順に落とし込みます。

ステップ1〜2:現状把握と目標設定

最初にやるのは、いきなり研修ではありません。「自社のどの業務を、どうデジタル化したいか」を1枚に書くこと。目的が曖昧なまま研修だけ受けさせても、現場には何も残りません。

ステップ3〜5:学ぶ・使う・教え合う

ポイントは、学んだ知識をすぐ実務で使わせること。人は使わないスキルを2割しか記憶に残せないと言われます。学習→実践→共有のサイクルを回しましょう。

育成の核は「学ばせて終わり」にしないこと。学習・実践・共有の3点セットを、小さく毎月回す。これが定着の唯一の道です。

明日から使える無料・低コストの育成リソース

「予算がない」は、もう言い訳になりません。国が無料の学習基盤を整えています。

国の無料プラットフォームを使い倒す

経済産業省とIPAが提供する「マナビDX(Manabi DX)」は、DXに関する講座を集めたポータル。無料で学べる講座も多数あります。まずはここから始めない手はありません。

マナビDXは、デジタルスキルを身につけたい個人や企業を支援するため、国が提供する学習ポータルサイトです。レベルや目的に応じた講座を探すことができます。(経済産業省・IPA「マナビDX」より)

補助金で研修コストを取り戻す

外部研修を使う場合も、「人材開発支援助成金」などを活用すれば、研修費や賃金の一部が助成されます。条件次第で研修経費の負担を大きく下げられる制度。地域の労働局やよろず支援拠点に相談を。

補助金・助成金は事前申請が原則。研修を始めてから「使えなかった」となるケースが多発しています。必ず着手前に対象要件を確認してください。

失敗する企業に共通する3つの落とし穴

多くの中小企業が、同じ場所でつまずいています。先回りして避けましょう。

落とし穴1:丸投げと「資格取得」のゴール化

研修会社に丸投げし、資格を取らせて満足する。これが典型的な失敗です。資格は手段。業務が1つも変わっていなければ、投資はゼロ回収。

落とし穴2:育てた人を「孤立」させる

一人だけ育てて、現場から浮かせてしまうパターン。周囲が旧来のやり方を変えなければ、育った社員は疲弊し離職します。2〜3名をチームで育てるのが鉄則です。

落とし穴3:経営者が「我関せず」

DX人材育成が頓挫する最大の理由は、経営層の関与不足だと多くの調査が指摘します。担当者任せにした瞬間、優先順位は下がり、立ち消えになります。

過半数 のDX推進企業が「人材不足」を最大の課題に挙げる(IPA DX白書)
「育成は人事と現場に任せた」は黄信号。経営者自身が目的と期限を語り続けることが、育成を止めない最大のエンジンです。

育成を仕組みにして文化に変える

一度の研修で終わらせず、学び続ける組織にする。ここまで来て初めて、育成は資産になります。

「教える側」に回す好循環

育った社員に、次の社員を教えさせる。教えることは最強の学習であり、ノウハウが社内に蓄積されます。外部依存から、自走へ。

小さな成功を全社で可視化する

「○○さんが手作業の集計を自動化し、月10時間を削減」。こうした小さな成果を社内で共有すると、他の社員の「自分も」を引き出します。数字で語ることが、文化を動かします。

月10時間 定型業務の自動化で1人あたり削減できた時間の一例
育成のゴールは「人を変える」ではなく「学び続ける文化を作る」こと。教え合いと成果の可視化で、育成は一過性のイベントから持続する仕組みへ変わります。

まとめ|採用より育成、その第一歩を今日踏み出す

採用で奪い合う時代は終わりつつある。いる社員を業務活用層から育て、小さく学び・使い・共有する。経営者が関与し、文化にまで育てる。これが中小企業の現実的な勝ち筋です。

まずは今日、自社でデジタル化したい業務を3つ書き出すこと。そこから、すべてが始まります。

この記事を書いた会社

株式会社オフィスVONDS

山梨県甲府市を拠点に、SEO対策・ホームページ制作・WEBマーケティング・AI活用支援を提供。「信頼をデジタルで可視化する」をモットーに、中小企業のDX推進をサポートしています。

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